2005.02.01独立14年目のウクライナ
ウクライナ共和国地図
今回は11月中旬から約1ヶ月に渡って実施された、ウクライナ共和国の市場経済化を促進するビジネス人材育成に向けたビジネスコース設計のための産業構造・労働市場調査に伴って、現地ウクライナの生活や文化などの情報を簡単にご紹介したいと思います。
ウクライナ共和国は1990年の旧ソ連崩壊直後の1991年に独立を果たした、東ヨーロッパの国家です。国土面積は約60万km2(日本の約1.6倍)であり、東でロシア、南で黒海、西でハンガリーやポーランド、スロバキア、ルーマニア、モルドバ、北でベラルーシに接し、ウクライナのクリム半島にはクリミア自治共和国があります。人口は約4,800万人であり、民族的
にはスラヴ系の民族が住み、文化的にも東ヨーロッパの国々との関係が深いです。また、世界最大の貨物輸送航空機であるアントノフAn-124を製造しているアントノフ社があり、また肥沃な大地を有し、旧ソ連の穀倉地帯であったなど、旧ソ連邦内では比較的発展していた国でもあります。
独立広場
最近では、親欧米派で野党連合代表の大統領候補、ユシチェンコ元首相暗殺疑惑などでメディアをにぎわせている国でもあり、ウクライナでのKGB議長暗殺が絡んだ、1970年代後半のイギリスの小説「悪魔の選択(The Devil’s Alternative)」を想起させます。
ちなみに大統領選挙の不正疑惑などともあいまって、私の帰国後以降数十万の民衆がデモを行った「独立広場」は、普段はたわいもない会話を楽しんだりする市民や露天商などが集まる、市民の憩いの場としてにぎやかな場所です。
今回、私はその物騒な騒ぎが明るみになる直前、大統領選挙真っ只中の首都キエフに滞在しましたが、当地で感じるのはヨーロッパへの強い憧れにも似た、統合意識です。端的にいうと、「何人ですか?」と尋ねると多くの人が「ウクライナ人」あるいは「ヨーロッパ人」と答え、「ロシア人」と答える人は少ないのが現状です。
最高級ビジネス・スーツ(?)
また、ヨーロッパへの統合という点では、ヨーロッパ(特に、イタリア)の生地を用いたスーツの売れ行きが非常に好調だそうで、一着500〜600米ドルにも係らず、若いビジネスマンがひっきりなしに購入に訪れるそうです。私も試着させてもらいましたが、軽くて温かくなかなか着心地もよかったですが、オーダー・メードの最高級品(右写真)を買っていってはどうかと言われたときには、さながら舞台衣装(分かりにくいですが妙な刺繍が入っています)のようで少々センスに疑問を感じました。
さらに、ヨーロッパやアメリカとビジネスの共通基盤を持つ必要があるとの意識から、欧米のMBAプログラムへの留学などのビジネス教育も非常に熱心で、滞在中に開催されていた博覧会にも訪問してきました。全体で50〜60程度の教育機関や旅行代理店などがブースを設置しており、訪れた学生が熱心にプログラムやサービス内容に聞き入っている様子は、欧米への強い憧れあるいはビジネスへの強い興味の現れであると感じられました。
ビジネス・スクール・カンファレンス
大統領選挙の不正疑惑、大統領候補の暗殺疑惑など疑惑ばかりが昨今では目立ちますが、現地ではヨーロッパへ仲間入りし、いわゆるビジネスマンとして世界で活躍したいと懸命に努力している若い人々も多く、月並みではありますが、学ぶべきところではなかろうかと考えさせられた1ヶ月でした。


