2005.12.01避暑地気分満点!高原の、赤道直下の国 〜エチオピア〜
フランクフルト経由で任地のエチオピアのアディスアベバへ飛び、7月中旬から約3ヶ月間滞在した。今回の業務である「溶接技術指導」は、アディスアベバから南西約20kmにある訓練所で現地インストラクタ2名と訓練生14人に対して指導を行った。朝晩の通勤には、狭い路上を行き交う人や排気ガス多発の車、動物の群れともアウンの呼吸よろしき現地人の運転する4輪駆動車に頼った。いたるところに開いた大きな穴が徐行を強い、雨が降ればドロンコとなる貧弱な道路網。その路上には想像を絶するほどの人、羊、山羊、ロバ・牛などが我がもの顔で往来する。さらには頻繁なる停電、乏しいメール回線など、日本では全く考えられない光景・体験の連続ではあったが、日本にはない良さもそれなりに多いのも事実である。そこで、独断と偏見ではあるが、私なりにエチオピアの印象をとりまとめてみた。
1) 快適な気候
暑からず寒からず、軽井沢よりさらに爽快な日々の連続であった。現地人や長期滞在の日本人の多くは「6〜9月は冬である」としきりにこぼすほど涼しい。しかし、本州の梅雨やうんざりする猛暑や残暑と比較すれば、まるで『天国』である。赤道直下のアフリカで『天国』?と理解に苦しむ人もいるだろうが、当地が2,400mの高原であると言えば、なるほどと納得であろう。ただし、日中の気温は連日20℃前後。雨季のため激しい雨が短時間ではあるが、ほぼ必ず1 日に一度は降り、洗濯物の乾きが悪い時も割合多かったが…。なお、空気が薄いのは、高地訓練にはもってこいであった。
2) 安い物価
テニスボールやウイスキーなど輸入品は日本に比べかなり高いものの、器量は悪いが高糖度で美味しいバナナは1本5円もしない。旨いビールも日本の5分の 1、さらには非常にポピュラーなピザやスパゲッティ等のイタリア料理も安い。しかし、スパゲッティはゆで過ぎのためか、全くコシがない。また、食材をはじめ各種商品の品数が少なく、総じて劣悪なのは仕方がないか。
3) 3000年の伝統のある他民族国家
80以上の民族の集まりのエチオピア人を十把一からげでいうのは土台無茶であるが、女性はシバの女王の子孫(?)にしては不美人が多い。対して男性はソロモン王の血を受け(?)哲人風の風格のある顔つきが多数見受けらる。また、ごくわずかの金持ちや特権階級を除き、肥満は少ない。過食には縁遠いせいか8 頭身が多く、スタイルは日本人よりスマートである。なお、性悪人間ももちろんいるが、顔を合わせるたびに親しく挨拶を交わす人情味豊かな人達に、挨拶の貧弱な日本社会がしっかり学ぶべきであると痛感した。
4) なじめない現地料理
独特の風味のインジェラというパンをはじめ、ワットという水気が少なくなじみにくい香辛料の効いたシチュー、猛烈3に硬い牛肉など、現地料理はとても口に合わない。しかし、欧米の高級料理に勝るとも劣らぬ品質のステーキ等が400円ぐらいでありつけるレストランもあり、地ワインもなかなかの味で、これまた安い。
5) 安全
赴任前に、デモ隊に警官が発砲し数十人が死亡とのニュースがあり、いささか緊張した。また、帰国寸前にはゼネスト騒ぎで出勤できない恐れもあったが、幸い不発に終わった。それ以外には街中では「民族文化のショウを見ないか…」など言い寄ってくるいかがわしい男達もいたが、適当にあしらうと静かに去っていき、安全上不安を感じることは一切なかった。
6) 衛生
黄熱病など風土病に対する不安はあったが、水道水は沸かせば十分飲めるなど、衛生上全く問題はなかった。しかし、街中や農村の貧しい人の群れとその振る舞いには心が痛んだ。一方、夕方車から必ず見る愛嬌のある薪運びのオバチャン達(写真1)の笑顔にはわずかな救いを感じ、「人はパンのみにて生きるにあらず」をずしりと実感した。人口の8割以上を占める農民の伝統的民家(写真2)は風情があるが、家畜と共生のせいか内部の臭気にはへきえきものである。

写真1 薪運びの陽気なエチオピアのオバちゃん(アレムガナ近郊の路上で)
写真2 世界文化遺産のティヤ村の墓石群近くの民家と少女


