2010.07.26ジャマイカの中小企業振興

職場の仲間
今年1月 、ジャマイカの首都キングストンのマンレイ空港に降り立ちました。なにもカリブ海の海賊に志願したわけではなく、ブルーマウンテン・コーヒーの買い占めに来たわけでもなく、無論、レゲエの神様ボブ・マーリーの墓参りに来たわけでもありません。ジャマイカ政府が国家目標として定めた「2030年vision」に掲げられている中小企業振興のための支援策改善をテーマにJICA派遣の短期(not 短気)専門家として、16時間、2日がかりで、はるばるやってきました。9月末までジャマイカ人。
「ジャマイカに中小企業はあるのか。」日本を出発する前に何人かの知人から、このような素朴?な疑問を投げかけられました。しかし世界広しと言えども、およそ経済活動が営まれている国や地域で、大企業はなくても中小企業がない国や地域はあり得ません。これらの企業は経済活動の基本です。問題となるのはどのような中小企業が活躍しているかです。

キングストンの街角
ジャマイカの場合、まだ工業センサスが実施されていませんが、EUの援助で一昨年末(2008年)に、全国の零細中小企業約3000社を対象として、大学生などを大量に動員した面接法による経営実態調査が行われました。これによりますと、商業(卸、小売)が全体の約6割と大多数を占める一方、肝心の製造業者はわずか11%で、しかも産業発展の礎でもあり、産業高度化の要でもある金属加工関係は2%足らずに過ぎませんでした。わずか1割のモノ作りセクターで、どうやって国が維持されるというのでしょうか。

北海岸の海を臨む
旧宗主国の英国、電話番号の国コードが同一の米国、観光客が多くやってくるカナダ。これらの国々に散らばる出稼ぎ者の数が、この国の総人口とほぼ等しい約250万人と言われており、その送金が一番大きな収入になっているのです。二番目に大きいのが観光収入です。中小企業が大いに貢献すべき観光関連産業の中に民芸品製造があります。ところが今、この民芸品が中国からの輸入品で席捲されようとしています。こうみると、中小企業振興は危ういといえます。「おいおい、どうする」、という感じがしてきます。しかし中小企業振興に特効薬や万能薬はありません。一歩一歩の積み重ねが重要です。とカウンターパートのみならず、自分自身をも鼓舞しながら、キングストンの夜は更けてゆきます。

北海岸の近くの滝で遊ぶ人々
ジャマイカはキューバの南に位置し、総面積が秋田県とほぼ同じくらいの、カリブ海に浮かぶ島国。というと、朝の散歩にちょっと島内を一周、などのイメージを抱かれる方は、まさかいないとは思いますが、実際、島というか国の東端から西端まで車で一生懸命走って6時間ですから、半端ではありません。国土の3分の2が山で、これは日本と同じです。島の南側に位置するキングストンを出発して、2つ山を超えたところに広がる紺青の海。そうか、海はこんなに青く輝いているのか、と思ってしまう北海岸には世界的にも有名な観光リゾートが点在しています。ブルーマウンテン山脈(青い山脈)の山ふところに湧き出るアルカリ度7.9の泉水で淹れたブルマンコーヒーを飲みながら、青い山脈の奥深くで採集された良い香りのハチミツに漬け込んだ酸っぱいタマリンドをかじるとまた明日への希望が湧いてきます。


